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インタヴュー特集:ランゲッジヴィレッジ代表に聞く、バイリンガルを国内で養成する「国内留学」施設とは?

ランゲッジヴィレッジ代表 秋山昌広
一橋大学在学中にボストンに留学中滞在した下宿所にて英会話の本質を体感。そこでの体験を元に帰国後、ランゲッジ・ヴィレッジを創業。現在、英会話での成功体験に続き、中国語をまったくゼロから2週間で速習させる中国語超特急も開校し話題を呼んでいる。

国内留学倶楽部ブログの中で書いています こちらからどうぞ

質問:国内留学というシステムが、最近日本の英語学習者の間で話題になっているようですが、まずはそのシステムについて説明してください。

秋山:富士山麓に位置する敷地5000坪の施設内を完全に日本語禁止として、外国人とともに授業、休憩、食事時間とすべての時間を英語のみを唯一の意思疎通ツールとして生活します。それによってビジネスに最も必要とされる英語を「話す」「聴く」力を短期間で身につけさせるというシステムです。

質問:そのような御社独自のシステム「国内留学」が有する他の英語研修とは異なるベネフィットは何ですか?

秋山:それは、日本人にとってコミュニケーション英語(使える英語)を身につけさせるための理想的な環境を提供できることです。もっと踏み込んでいえば、基本的な英語の基礎(中学3年程度)ができている方であれば、国内留学を1〜2週間も体験すれば、英語を用いて自らの意思を表現するのにまったく支障がないまでに上達させることができることです。

質問:正直申し上げて、私自身も英語でずっと苦労してきている人間ですので、「1〜2週間で」という秋山さんの言葉はにわかに信じられないのですが、もう少し詳しく説明していただけますか?

秋山:はい、このことを申し上げると、かならず「10年も勉強してできない英会話が1〜2週間でできるようになるはずがない。」という意見がでます。(笑)そこで私はいつも逆に質問します。「その10年間の中でどれだけ、英語だけで生活をしなければならない環境に身をおいた経験がありますか?」と。私たちは、この「環境」こそが、外国語を身につけるために必要不可欠なものだと考えています。1〜2週間という期間は、少なくとも人間の生活サイクルの中で必要なコミュニケーションパターンを出し切るのに十分足りる期間です。その期間中、朝食から夕食後までずっとネイティブ講師がそばについている環境を作り出しています。海外留学を経験された方なら良く分かっていただけるのですが、実際の海外留学でも、このような条件はまず確保することはできません。また、きちんとした研修を受け日本人の弱点を知り尽くした専任講師が対応しますのでその効果については、自信を持ってお勧めできます。

質問:う〜ん、そういわれてみれば、私の10年間という英語の学習期間には確かにその「環境」というものがなかったと思いますね。

秋山:日本国内の普通の教育を受けられた方はほとんどがそうだと思います。ただ、そうはいっても根性論のように捉えられてしまい、なかなか理論的にご理解いただきづらいので以下のような例で説明するようにしています。
英語での会話に必要な人間の脳を、引き出しがいくつかついた本や資料をいれる家具だと仮定してください。一般的な英語教育を受けた日本人の脳は、この家具の中に長い時間をかけて収集したたくさんの本や資料がつまっている状態です。ですが、引き出しの中が整理されておらず、どの引き出しに何が入っているのかが分からない、また、引き出しを長い間動かしていないため、硬くてスムーズに開かない状態です。つまり、必要な資料が家具のどこかにあることは分かっているが、すぐには取り出せない、英会話で言えば、外国人を前にして、会話につまってしまう状態を意味します。ランゲッジヴィレッジでの国内留学は、朝から晩まで、外国人を前にして会話をし続けなければならない環境です。この例で言えば、家具の中を整理して、どの引き出しにどの分野の本や資料が入っているかを明らかにし、立て付けの悪い引き出しを何度も引き出して、スムーズに開くようにする様なものです。これによって、必要なものを必要なタイミングでスムーズに取り出せる、外国人との会話がスムーズに行える状態になるのです。ここで考えていただきたいのは、家具の中に必要な本や資料をたくさんいれるためにかかる手間や時間と、整理整頓をし、開閉をスムーズにするためにかかる手間や時間はどのくらい違うかということです。もうお分かりですよね。知識の収集・記憶は一朝一夕にはいきません。長い時間と努力が必要です。しかし、その知識(本や資料)を整理し、引き出しを開閉するには、その何百分の一の時間で足りるはずです。ですから、基本的な文法や語彙が学校英語によって詰め込まれている日本人であれば、1〜2週間「国内留学」を体験するだけでも驚くような成果が見込まれるということなのです。こう考えると、日本の一般的な英語教育が非常にもったいないことをしているということが分かります。そこまで基礎を築き上げられていれば、その基礎の上に載せるあと少しの「整理整頓」の機会を与えてあげるだけで、「10年も勉強してできない英会話が1〜2週間でできるようになる」現象を引き出せるはずなのです。にもかかわらず、その少しの機会をまったく与えていないがために、ほとんどの人にとっては何もやっていないのと同じ状態で終わってしまっている。すなわち、日本の英語教育の問題は、教育全体が間違っているのではなく、全体のバランスが悪すぎることだと考えています。

質問:確かに秋山さんは、よくランゲッジヴィレッジのことを英語教育にコバンザメのように寄生させてもらっているんだ、などとご謙遜されますよね。

秋山:はい、謙遜というか本当にその通りだと思っています。(笑)
だって、10年間勉強して話せない人が、ランゲッジヴィレッジの国内留学で話せるようになった場合には、みな、ランゲッジヴィレッジのおかげだと思ってくれるわけですから(笑)。私たちは、最後に、ほんの少し「整理整頓」の機会を与えることで全体のバランスをとっているだけなのです。ヨーロッパなどでは、何ヶ国語もペラペラ話せる人がざらなのに、日本では英語すらまともには・・・という話がよくありますが、これは「能力」の問題ではなく、「環境」の問題であると考えれば簡単に納得がいきます。ただ、ヨーロッパと違って、島国日本ではそのような「環境」を見つけることが極端に困難だったのです。ですから、ランゲッジヴィレッジでは、その「環境」作りに徹しているということなのです。

質問:そのようなランゲッジヴィレッジの国内留学の参加者にはどの様な層の方が多いのでしょうか?

秋山:参加者様の層は時期によってだいぶ変わってきます。夏休み、冬休み、春休み等、学生さんの長期休暇の時期には、圧倒的に中・高・大学生が多くなってきます。それに対して、それ以外の通常の時期には、お仕事や子育てをリタイアされたシニア世代の方々や企業派遣や休暇をとられたビジネスマンの方が中心となります。少し前までは、ビジネスマンの方々はお盆の時期、GW、年末年始などの時期に受講されるケースがほとんどで、通常期はほとんどシニア世代の方々で占められておりました。しかし、最近では楽天やユニクロのように社内公用語を英語にしてしまう会社が現れるなど、ビジネスの世界での英語の必要性が極端に高まったせいか、通常期でのビジネスマンの受講が急増しております。通常期での受講は長期休暇時と比較して料金的にも割安感がありますし、人数的にもゆったりとした中で受講することができます。また、それぞれの参加者様のニーズに合わせたカリキュラム作りを行うことができますので大変おすすめです。

質問:最近では、特にビジネスマンの方の割合が増加しているとのことですが、ランゲッジヴィレッジではビジネスマン向けに特別な講座はあるのですか?

秋山:この質問に答える前に私たちの英語教育に対するスタンスを説明させてください。少し逆説的に聞こえるかもしれませんが、私たちは「ビジネス英会話は存在しない」と考えています。これは「ビジネス日本語」という言葉が存在しない理由と同じです。ビジネスの成功に必要なのは相手との円滑なコミュニケーションであることは、日本語でのビジネスを考えれば明らかです。日本語と同じように英語でもコミュニケーションができれば当然、ビジネスはできるのです。にもかかわらず、ビジネス英語は特殊なテクニカルタームをマスターしなければならないと考えてしまうところにビジネスマンから英語を遠ざけてしまう原因があると考えています。しかも、時折必要となるテクニカルタームは良く考えてみれば、そのビジネスマンが所属する業界に特有なものであって、ビジネス一般に普遍的に必要となるものではないものがほとんどだと思います。そうであれば、それは英語の範疇ではなく、業界研究の範疇で身につけるという考え方を持つべきではないでしょうか。繰り返しますが、この誤解がビジネスマンを英語習得からいつまでも遠ざけている大きな原因だと思っています。ランゲッジヴィレッジがビジネスマン向けに提供できることは、先ほど述べました英語の引き出しをスムーズにしてあげる経験をたくさんすることで「私は英語ができる」という自信をつけさせることです。そうすれば、その人は必ず自分に足りないテクニカルタームを自分で必要に応じて吸収するという姿勢を身につけることになります。ですので、ランゲッジヴィレッジでは基本的にはビジネスマンだからビジネス専門の授業を受けるべきだとは考えていません、むしろそのような授業は先ほどの誤解を助長してしまうとさえ考えます。ですので、私たちはビジネスマンに向けても通常の「国内留学」をかたくなにおすすめしています。ただ、臨場感を出すという意味で、ビジネス傾向の強い講座も準備しておりますし、また、英語でビジネスをやりきってしまう一連の流れで体感できる特別講座も用意しておりますので是非HPでご確認ください。

質問:なるほど、日本語で考えれば確かに「ビジネス日本語」という概念はないですよね。つまり、ビジネススキルを理解していれば、後は「英語」を身につければよいと単純に考えるということですね。国際的に活躍ができないのは、ビジネスのスキルが足りないからなのか、それとも、英語の能力が足りないからなのか。まずそのことをきっちりと整理してから必要性を考えるべきということですね。

秋山:そうです。でも、ビジネスマンはビジネスのプロですからビジネススキルを持っているのは当たり前ですよね?(笑)それに、普段、日本語で商談をまとめるときにそこまでビジネススキルを意識していますか?ほとんど、通常のコミュニケーションとあなたの業界、会社、その商品に特有な知識くらいではないでしょうか。このインタビューだって、私にとってはビジネスコミュニケーションですが、特に私はビジネススキルを意識はしておらず、なんとか私の会社独自の「国内留学」という商品について理解していただくコミュニケーションをしているだけです。この考え方は、ビジネスマンのみならず全ての日本人英語学習者があらかじめ理解したうえで英語学習に望むべきものであると考えています。

質問:そういわれるとよくわかります。日本人は英語に関してハードルをわざとあげようとしているようなものなのですね。・・・なんてもったいない! お話を聞かせていただいて、今までの自分自身の言語というものに対する認識自体を改めさせられたような感じがしています。まず、多くの日本人が英語に対して苦手意識を持っているという問題に対して、対症療法ではなく、根本的な問題はどこにあるのかという視点からその解決を目指すランゲッジヴィレッジさんの取り組みについてよく理解できました。今後とも頑張って取り組み続けてください。本日はありがとうございました。


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