バイリンガルへの処方箋

バイリンガルの再定義が必要

「バイリンガル」という言葉は、日本人にとってはある種、特別な響きを伴って耳に入ってきます。狭い国土に、日本語だけを唯一のコミュニケーションツールとして生活をしている私たちは、その言葉の響きに異常とも言える「憧れ」を抱いてしまいます。日本語だけをコミュニケーションツールとしている限りにおいては、地球上で1億数千万人ほどの人間としか意思の疎通がはかれません。しかし、数ある言語の中で英語を取り上げますが、英語を公用語としている国は第二公用語を含めると10数カ国(アイルランド・アメリカ・イギリス・インド・オーストラリア・カナダ・シンガポール・ニュージーランド・ベリーズ・リベリア・南アフリカ・他多数)とも言われ、その人口だけで数えると15億人に届くといわれています。日本人で英語ができる、すなわち英語のバイリンガルとなれば、1億数千人から一気に10倍以上の15億人とコミュニケーションが出来るということになるのです。このことが、島国日本人にとって『バイリンガル』という言葉に異常な感情を持たせてしまう原因だと考えられます。

そこで、「バイリンガル」の定義を調べてみましたら、次のように理解されているようです。

「ある人間が二種類の言語を使用可能なとき、それをバイリンガルとよぶ。ただし、それらの言語をどの程度まで扱える場合にバイリンガルと呼ぶべきなのかは特段定めはない。」

この定義では、具体的にどこまでできればということが規定されていませんので結局何がバイリンガルなのかは明らかにならないように思います。このあいまいさを克服して、ランゲッジヴィレッジなりにこれを再定義してみました。

「母国語以外の言語で、基本的に今現在の自らの持つ限定された語彙を利用して意思を自由に伝えられる自信がある状態、もしくはその人をさす。」

なぜ、ここでわざわざ、この再定義を行ったか?それは、この定義のあいまいさが原因で大部分の日本人が英語学習の堂々巡りに陥ってしまっているように思えるからです。すなわち、『バイリンガル』の意味が一定ではないため、勝手に英語学習者がその目標を非常に高い場所に設定してしまい、いつまでも『憧れ』の対象としてしまっているからです。そうではなく、日本人のほとんどが、な〜んだ『バイリンガル』ってこんな程度か、それなら、自分もちょっとがんばったら『バイリンガル』になれるんじゃないか。と思えるような『バイリンガルのコモディティ化』を進めるためにランゲッジヴィレッジはあえて、再定義をしているのです。

それならば、この再定義の中でいう「今現在の自らの持つ限定された語彙を利用して意思を自由に伝えられる」こととは、具体的にどういうことなのかを述べることでタイトルのとおり『バイリンガルへの処方箋』としてみたいと思います。

コミュニケーションで一番重要なことは基礎的な単語を即座に組み合わせて、概念を伝えられるようになることです。なぜなら、いくら頑張って単語を勉強しても外国語は普段から使っていなければ身近でない単語から順に簡単に忘れてしまうからです。

例えばTOEICの試験前にテスト対策の単語を勉強して頭の中に入れて試験でよい点数をとっても一ヵ月後にはおそらく同じ点数は取れないでしょう。一般的な日本人の英語学習は底蓋のついていないザルに水を入れてこぼしながらも試験会場に持っていくようなものです。その繰り返しをしているだけだから、高得点を保持していながら「英語ができます。」と自信を持って言える人が少ないのだと思います。

人間の脳をザルに例えた場合、ザルの底の方には小さいながらも底蓋がついていて、常に最低限の水が残っていて、いつでもそれを駆使して何とかなることが分っている状態を作ることが何よりも重要なのです。つまり自分が現時点で持っている単語を自在に組み合わせて伝えることができる状態を「英語ができる」状態だと言えるのです。人間がスムーズに日常生活を送るためにはこの状態に自分をもっていけるかにかかっています

先ほどの再定義の「今現在の自らの持つ限定された語彙を利用して意思を自由に伝えられる」状態がまさに、この底蓋によって常に最低限必要な水だけはためている状態といえると思います。

このことを目標にするのであれば、底蓋のないザルにいつも大量の水を入れておかなければならないという強迫観念にかられた『バイリンガル化』を、少ないながらも決してなくなりはしない水を確保することで、もっと気楽に、有意義なものに変えられるとランゲッジヴィレッジは考えています。


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